💡 「3dBアップ」と言われても、何がどれだけ良くなったのかわからない。
アンテナや無線の仕様書で頻繁に出てくる「dB」を、初心者向けにできるだけ簡単に説明します。
この記事でわかること
3dBはなぜ2倍なのか
dB(デシベル)は、普通の数字ではなく「倍率を対数で表したもの」です。
電力が2倍になったときの値を計算すると、約3.01dBになります。
そのため無線の世界では、覚えやすく「3dB=約2倍」と考えます。
3dBずつ増えると、電力はおおよそ倍々になります。
📌 覚える数字は「3」と「10」だけでも十分です。
3dB ≒ 2倍、6dB ≒ 4倍、10dB = 10倍です。
そもそもdBとは何か
dBが使われる最大の理由は、掛け算を足し算にできることです。
無線通信では、アンテナ、ケーブル、空間などを通るたびに、電波が強くなったり弱くなったりします。
複雑な倍率計算が、dBなら足し算になります。
この便利な仕組みは、長距離電話網の損失を簡単に計算するために1920年代から使われるようになりました。
dB・dBm・dBiの違い
アンテナの仕様書を読むなら、この3つを区別できればかなり楽になります。
| 単位 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| dB | 2つの量の比 | ケーブル損失 −2dB |
| dBm | 電力の絶対値 | 送信出力 +20dBm |
| dBi | アンテナの利得 | アンテナ利得 +2.5dBi |
dBmは「電力」、dBは「差」
例えば受信電力が−70dBmから−61dBmに改善した場合、その差は9dBです。
⚠️ よくある言い間違い
「9dBm強くなった」ではなく、「9dB強くなった」が正しい表現です。dBmは差ではなく、電力そのものを指す単位だからです。
dBiはアンテナの利得
dBiは、理想的な等方性アンテナ(Isotropic Antenna)を基準にしたアンテナ利得です。
例えば+3dBiなら、最大放射方向では基準アンテナに対して約2倍の電力密度に相当します。
次に読む
dBiやアンテナ利得について詳しく知りたい方は「利得(Gain)とは何か?やさしく解説!」をご覧ください。
アンテナで3dB改善すると何が変わる?
無線通信では、送信機から受信機までの利得と損失をdBで足し引きして計算します。
これをリンクバジェット(Link Budget)と呼びます。
📌 リンクバジェット上では、アンテナ利得+3dBは、送信出力を約2倍にするのと同じ『3dBm』分の効果があります。
ただしアンテナは電力を作っているわけではありません。電波を特定方向へ効率よく放射したり、筐体や基板による損失を減らしたりすることで、必要な方向の特性を改善します。
自由空間で他の条件が同じなら、3dBの改善は理論上、通信距離約1.4倍に相当します。
まとめ:3dB=約2倍と覚えればOK
| +3dB | 電力 約2倍 |
| +10dB | 電力 10倍 |
| dB | 比・差 |
| dBm | 電力の絶対値 |
| dBi | アンテナ利得 |
まずはこの5つを覚えるだけで、アンテナや無線機器の仕様書がかなり読みやすくなります。
その3dB、アンテナ設計で改善できるかもしれません
アンテナ特性は、アンテナ単体だけでなく、筐体・基板GND・設置位置・周辺部品によって大きく変わります。
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