機構設計と構造設計の違い|ヒンジを硬くすれば解決する?

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大野 拓人

B!

ノートPCの画面を、片手で開く。手を離すと、その角度で止まる。何気ない動作ですが、「軽く動く」と「しっかり支える」という、相反する要求が隠れています。

機構設計は「どう動かすか」、構造設計は「どう支えるか」。この違いは、ヒンジの困りごとを考えると見えてきます。

画面を止めたいのに、本体が持ち上がる

画面が勝手に倒れないよう、ヒンジの回転抵抗(トルク)を大きくする。ところが、強くしすぎると開ける力も増え、本体の重さや重心の位置によっては、画面を開くときに本体まで浮いてしまいます。

逆に弱くしすぎれば、開けやすくても画面を支えきれません。「片手で開く」は、ヒンジの硬さと、製品全体の重さ・形のバランスで成り立つ使い心地なのです。

ぐらつく原因は、ヒンジとは限らない

では、画面がぐらつくときも、ヒンジを硬くすればよいのでしょうか。

ここで見たいのは、「どこが動いているか」です。画面が自重で倒れるなら、保持トルクの不足が考えられます。一方、画面に触れたときに取付金具や筐体がしなるなら、見直すのはその剛性、つまり変形しにくさです。

取付部のたわみが原因なら、ヒンジを硬くしても解決せず、開閉時の負担を増やすことがあります。ヒンジ単体では問題がなくても、製品に組み付けると使い心地が変わるのは、このためです。

ヒンジは「動かす」と「支える」を担う。

回転軸では滑らかに動き、取付部では力を受け止める。動いてほしい場所だけが動くようにする。それが、機構設計と構造設計を一緒に考える意味です。

設計の初期から、ヒンジと取付部をセットで検討する。そして試作では、開閉の軽さに加えて、取付部のたわみや、繰り返し使った後の変化まで確かめる。ヒンジ選びは、そこまで含めた製品設計です。

スタッフ株式会社では、トルク・寸法・取付方法を使用条件に合わせて設計します。
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