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『電波の到達距離/見通し距離』について

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『電波の到達距離/見通し距離』について

【電波の到達距離とは】

 電波の到達距離とは、平たく言うと通信ができる距離になります。

 

【見通し距離とは】

 見通し距離とは、送信機と受信機の間に遮蔽物が全くない環境の距離を指します。

 

【見通しが悪いとどう影響するのか?】

 無線通信をする際に理想的な環境とは、遮蔽物がない(見通せる)状態です。

 ビルや山、壁などの遮蔽物がある場合、電波が遮断されてしまい、電波の到達距離が短くなってしまいます。

 例えば建物の地下やエレベータに乗った際、スマホが圏外になった経験があるのではないでしょうか。

 それは、基地局とスマホの間に遮蔽物があり、電波の到達距離が短くなった為です。

 

【電波の到達距離は、周波数で違うの?】

 見通せる環境下では、周波数が2倍になると、電波の到達距離は半分に落ちます。

  それは周波数が高くなればなるほど、電波の振幅が細かくなり、1秒当たりの振動回数が多くなる為です。

 例えば、周波数を人の心拍(1分当たりの心臓の鼓動の回数)で例えるとわかりやすいかもしれません。

 安静時の心拍はゆっくりですが、運動時の心拍は早くなり、疲れやすくなると思います。

 電波も周波数が高くなり振幅が細かくなるほど、途中で疲れて遠くまで飛ばなくなってしまうのです。

 

 また、周波数が高くなるほど電波の直進性が強くなり、遮蔽物などによる影響を受けやすくなります。

 逆に周波数が低くなるほど、遮蔽物に回り込んで電波を送る事ができる為、影響を受けにくくなる傾向があります。

 

 ちなみに、電波は遮蔽物によって受ける影響が違います。

 一般的に水分が多く含まれているモノ(水や木など)や金属は、影響が大きくなります。   

 従って、エレベータ内(金属板に囲まれている場所)や森林の中は、アンテナにとってとても悪い環境になります。

   

【実験してみた】

 実際に木造の戸建住宅の一階にWi-Fiルーター(2.4GHz帯と5GHz帯)を設置し、二階で2つの周波数の電波強度の差を比較してみました。

 ルーターの真上(2階)では、2.4GHz帯の方が電波強度が9dBm(9デービーエム)強くなりました。

 そこから、2部屋遠くに移動したところ、やはり2.4GHz帯のほうが11dBm電波強度が強い結果となりました。

 この結果からも、低い周波数の方が距離や遮蔽物に対して有利なことが分かりました。
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